BCPコラム

投稿日: 2026年6月22日

スマホが宇宙と直接つながる時代へ。「スターリンクダイレクト」の期待と、企業BCPの現実解

※こちらのブログは通信業界歴15年の防災士が書いたものです※

ここ最近、通信やIT業界で大きな話題をさらっているのが、スマートフォンが上空の衛星と直接通信する「スターリンクダイレクト(Starlink Direct)」の本格始動です。「いよいよ携帯キャリアの圏外が日本からなくなるのか!」と、企業の防災担当者様からも熱い注目を集めています。

専用のアンテナや機材なしで、手持ちのスマホがそのまま宇宙と繋がる技術は、間違いなくこれからの災害対策を大きく変えるイノベーションです。

しかし、防災士の視点、そして企業のBCP(事業継続計画)というシビアな現実から見たとき、「これがあるから、もう会社の通信対策は何もいらない」と考えるのは、少し時期尚早かもしれません。今回は、この最先端技術の“現在地”と、今企業が取るべき現実的な備えについて解説します。

 「スターリンクダイレクト」の現在地と、超えられない壁

各キャリアでの試験運用やサービス開始が進むスターリンクダイレクトですが、現時点では万能の通信網というわけではありません。主に以下のような仕様や制約があります。

  • 通信内容は「テキストメッセージ」や「一部データ」が中心

普段オフィスで行っているような、大容量のWEB会議や基幹システムへのアクセス、通常の音声通話がどこでも制限なしに使えるわけではなく、基本的には指定アプリでのメッセージ送受信や位置情報共有、緊急速報の受信などがメインです。

  • 最大の盲点:屋内(オフィス内)では繋がらない

これが企業BCPにおいて最も重要なポイントです。スターリンクダイレクトは、上空の衛星からの電波をスマホで直接キャッチするため、「屋外で、空が広く見渡せる場所」でしか通信が成立しません。当然、オフィスビルの室内や、窓のない避難所、周囲をビルに囲まれた都市部の路上などでは、電波が遮られて圏外になってしまいます。

 「未来の技術への期待」と「今ある備え」の両軸思考

登山や海上、山間部の作業現場といった「もともと完全な圏外だった場所」での人命救助や最低限の安否確認において、この技術は100点満点の威力を発揮します。

しかし、企業のBCPのゴールは「連絡が取れること」だけではなく、「停電や災害時にも、オフィスや代替拠点でPCやタブレットを開き、事業を継続させること」のはずです。

未来のテクノロジーの進化にワクワクし、その動向に注目することは素晴らしいことです。ただ、それと同時に、「今、明日、大災害が起きたときに、目の前のビジネスをどうやって維持するか」という、今あるツールでの現実的な対策を地につけて行わなければなりません。

 企業のオフィス業務を守る「現実解」とは

では、都市部のオフィスや拠点での業務継続において、今最も確実な対策とは何でしょうか。

それはやはり、ビル内や室内でも電波が届きやすく、かつ高速なデータ通信が可能な「地上の携帯電波(マルチキャリア)を冗長化しておくこと」です。

災害時に、例えばドコモが不通になっても、auやソフトバンクが生きていれば自動で切り替わって、いつものようにPCやタブレットで仕事ができる。この「今すぐ確実に機能する足元の防衛策」を主軸として固めておくことが、企業のリスク管理の鉄則です。

最先端の「宇宙からの電波」という選択肢を未来の視野に入れつつ、まずは今すぐ確実に会社を、オフィスを、社員を救ってくれる地上のバックアップ網を完成させる。この「両軸」の視点を持つことこそが、本当に賢いBCP担当者のアプローチと言えるのではないでしょうか。

「今すぐ、室内でも繋がる」確実な冗長化を

当社の「スカイベリーpro」は、ドコモ・au・ソフトバンクの3キャリアに対応した、オフィス内でも手軽に使えるBCP特化型通信サービスです。

特別なアンテナ設置や屋外へ出る手間もなく、電源を入れるだけでその場所の一番強い電波をキャッチし、大容量のデータ通信を維持します。

最先端の衛星通信ニュースをチェックしつつ、まずは足元の「確実に止まらない通信環境」の整備として、ぜひご検討ください。

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