投稿日: 2026年9月9日
※こちらのブログは通信業界歴15年の防災士が書いたものです※
先日の熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
発災から少し時間が経過し、被災地では人命救助や安全確保のフェーズから、少しずつ「生活の再建」へと歩みを進めるフェーズに入りつつあります。
その生活再建の第一歩となるのが、国や自治体からの支援金、保険金の請求、各種減免措置を受けるために不可欠な「罹災(りさい)証明書」の申請です。
従来、この手続きは区役所や市役所の窓口に被災者が長蛇の列を作り、肉体的にも精神的にも大きな負担となっていました。しかし現在、マイナポータル等を活用した「罹災証明書のオンライン申請」に対応する自治体が急増しています。
スマートフォンとマイナンバーカードがあれば、混雑する役所へ赴くことなく、避難所からでも手続きが進められる画期的な仕組みです。
しかし、ここで現場の被災者を悩ませるのが「復旧期の通信問題」です。
1. 「低容量プラン」契約者を襲う、生活再建期の「ギガ不足」
多くの現代人は、自宅やオフィスに光回線(固定WiFi)が整備されているため、スマートフォンの月間データ通信契約を「3GB〜5GB程度」や「使った分だけ支払う従量制」などの低容量プランに抑えています。
普段の生活であればこれで十分ですが、避難所生活ではこの設定が裏目に出ます。
自宅の光回線が使えない環境下で、日々の情報収集や家族・知人との連絡、さらには「罹災証明書のオンライン申請」を行おうとすると、一瞬で契約ギガ数を使い果たしてしまいます。特に、罹災証明書の申請時には「被害状況を証明する高画質な建物・室内の写真データ」を何枚も添付してアップロードする必要があるため、想定以上のデータ通信量を消費するのです。
ギガを使い切り通信速度制限(128kbpsなどの低速化)がかかってしまえば、画像のアップロードすらエラーで進まなくなります。ただでさえ不安な避難所生活の中で、「追加ギガを購入する出費」や「通信が途絶える恐怖」は被災者に大きな精神的ストレスを与えます。
2. 「0000JAPAN」終了後のセキュリティ問題と復旧格差
大規模災害時には公衆WiFi「0000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」が一時的に開放されますが、通信が暗号化されていないため、マイナンバー情報や個人情報を扱う行政手続きを行うにはセキュリティ上の大きなリスクが伴います。
さらに、0000JAPANは携帯回線が復旧し始めると提供が終了します。しかし、「エリア全体は復旧した」と発表されても、自分が契約している特定のキャリアだけが避難所内で電波が入りにくい(復旧遅れ)という「キャリアの明暗」が発生することも少なくありません。
- 暗号化されていない公衆WiFiでは、個人情報の入力が不安
- スマホの低容量プランでは、写真添付や申請手続きでギガが底をつく
- 自身の契約キャリアが未復旧で、そもそもネットに繋がらない
避難所において、被災者はこのような三重苦に直面することになるのです。
3. 避難所に求められる「安全で大容量なWiFi」の備え
オンライン申請という便利なデジタル行政の仕組みを真に活かすためには、被災者が集まる指定避難所や、帰宅困難者・地域住民を受け入れる企業の施設に、「安全で、大容量で、キャリアに依存しないWiFi環境」が整備されていることが不可欠です。
被災者がご自身のスマホのデータ容量(ギガ)やセキュリティを気にすることなく、高画質な写真をアップロードし、罹災証明書の手続きや生活再建の情報を収集できるインフラがあって初めて、被災地の復興は加速します。
各自治体の防災担当者様、あるいは地域貢献(CSR)として避難所機能を担う企業様におかれましては、発災直後の非常食や毛布だけでなく、「復旧期の生活再建を支える通信インフラの質」にもぜひ目を向けてみてください。
避難所の生活再建を支えるマルチキャリアWiFi
当社の「スカイベリーpro」は、工事不要で設置できる据え置き型のBCP通信ゲートウェイです。
ドコモ・au・ソフトバンクの3キャリアに1台で自動対応するため、特定のキャリアがダウンしていても、その場で一番強い電波をキャッチして安定した通信を提供します。
また、暗号化された安全なWiFi通信により、被災者がご自身のスマホのデータ容量(ギガ)を気にする必要がありません。罹災証明書のオンライン申請に必要な写真データのアップロードも、スムーズかつ安心して行っていただけます。
自治体の指定避難所や、企業の帰宅困難者受け入れスペースにおける「頼れる生活再建インフラ」として、ぜひ導入をご検討ください。
BCPコラム
-
熊本地震でも注目。罹災証明書の「オンライン申請」を阻む通信の壁と、避難所に求められるWiFi環境
投稿日:2026.09.09
-
そのBCP、3年前のままになっていませんか?9月1日「防災の日」に見直す最新BCPチェックリスト
投稿日:2026.09.01
-
危機管理担当者110名に聞いた「通信BCP」の現状。スターリンク検討が約4割も、決め手に欠ける理由とは?
投稿日:2026.08.26
-
八潮市の道路陥没でも発生。年間2万件起きる「水道管破裂」がオフィスのネットを止める恐怖
投稿日:2026.08.18
-
熊本での地震を受けて考える「南海トラフ臨時情報」と「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の違いと企業の備え
投稿日:2026.08.10
-
8月は台風発生のピーク。「風速〇m/s」を言い換えて警戒を高める、実践的防災アドバイス
投稿日:2026.08.03
-
ニチレイの被害でも話題。サイバー攻撃時に企業が直面する「自ら通信を断つリスク」とBCPの盲点
投稿日:2026.07.27
-
スターリンクは万能薬ではない?都心オフィスで「繋がらない」を回避する、正しい通信BCPの選び方
投稿日:2026.07.21
-
今週末も九州で発生恐れ。予測困難な「線状降水帯」からオフィスの通信を守るBCPの現実解
投稿日:2026.07.07
-
介護DXの盲点?LIFE対応や見守りセンサーを導入した施設が、今すぐ見直すべき「通信BCP」のリアル
投稿日:2026.07.06
-
大企業だけのものじゃない!中小企業にこそBCP対策が必要な理由と、国が用意した「嬉しいメリット」
投稿日:2026.07.01
-
スマホが宇宙と直接つながる時代へ。「スターリンクダイレクト」の期待と、企業BCPの現実解
投稿日:2026.06.22