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BCPコラム

投稿日: 2026年10月26日

BCPとBCMの違いとは?「計画倒れ」を防ぎ、有事に動ける組織を作るためのマネジメント

※こちらのブログは通信業界歴15年の防災士が書いたものです※

以前のコラムでは、企業が事業を守るための「BCP(事業継続計画)」の基本について解説しました。この記事を読まれている方の中には、すでに社内でBCPの策定に取り組まれている方も多いかと思います。

しかし、BCPについて調べていくと、必ずといっていいほど「BCM」という似たような言葉に出会いませんでしょうか。

「アルファベットが1文字違うだけで、何が違うの?」

「うちが今やるべきなのは、BCPとBCMのどちら?」

今回は、この混同しやすい2つの言葉の違いと、なぜ今多くの企業で「BCM」が重視されているのかを、防災士の視点から分かりやすく解説します。

BCPは「成果物」、BCMは「活動そのもの」

一言で表すなら、この2つの関係は以下のようになります。

  • BCP(Business Continuity Plan):事業継続「計画」
  • 災害などの緊急事態に備えて、「誰が、何を、どうするか」をあらかじめまとめたマニュアルや計画書(成果物)のこと。
  • BCM(Business Continuity Management):事業継続「マネジメント(管理)」
  • 作成したBCPを形骸化させず、社員への教育、避難訓練の実施、定期的な見直しなどを行い、企業全体の「災害対応力」を維持・向上させ続ける組織的な運用体制(活動全体)のこと。

つまり、BCM(大きな枠組み・活動)という仕組みの中に、BCP(具体的な計画書)が含まれているという関係性です。

防災士が解説。身近な「避難訓練」で例えると?

もっと身近な例で考えてみましょう。

学校やオフィスにある「火災が起きたら、このルートで校庭に逃げなさい」と書かれた避難経路図。これが「BCP(計画)」です。

しかし、図面があるだけでは、いざ火災が起きたときに全員がパニックにならず動けるとは限りませんよね。だからこそ、定期的に訓練アナウンスをして「実際に歩いてみる(訓練)」、新入社員に「経路を教える(教育)」、ビルが改装されたら「図面を書き直す(修正)」。この一連の取り組みすべてが「BCM(マネジメント)」です。

どれだけ立派な避難経路図(BCP)があっても、一度も訓練(BCM)をしていなければ、有事の役には立ちません。

なぜ今、BCPではなく「BCM」が叫ばれるのか

多くの企業が数年がかりで立派なBCPを策定します。しかし、せっかく作った計画書がオフィスの棚の奥で眠り、数年後にいざ災害が起きたときには「担当者が変わっていて誰も動かし方を知らない」「システムが古くなっていてマニュアル通りに動かない」というケースが後を絶ちません。

経営環境も、現場のシステムも、日々変わっていきます。

だからこそ、計画を作って終わりにせず、「計画(Plan)→ 訓練・実行(Do)→ 評価・検証(Check)→ 改善(Action)」というPDCAサイクルを回し続ける「BCM」の視点が、今の企業には絶対に不可欠なのです。

通信BCPにおける「BCM(運用・テスト)」の重要性

この重要性は、企業の生命線である「通信インフラの備え」においても全く同じです。

「災害用に、バックアップ用の通信端末(Wi-Fiルーターなど)を契約して金庫に保管してあるからBCPは万全だ」

そう安心している企業は少なくありません。しかし、いざ通信障害や大雨による停電が起きたとき、その端末はすぐに使える状態でしょうか。

「いざ電源を入れたらバッテリーが放電して切れていた」

「誰も接続設定のパスワードを知らない」

「いざという時に、現場のスタッフが使いこなせない」

これでは、BCPとしては失敗です。通信の備えをしっかり機能させるためにも、「定期的に電源を入れて接続テストをする」「避難訓練の日に、実際にそのバックアップ回線を使って安否確認の連絡を入れてみる」といった、BCMの視点を持った運用が必要になります。

まとめ:動ける組織を作るために

BCPは「作ったらゴール」ではありません。そこから始まるBCM(マネジメント)の積み重ねこそが、有事の際に会社と社員の命を救います。

自社の計画書がいま「棚の飾り」になっていないか、定期的な訓練やインフラのチェックが行われているか。この機会に、ぜひ「運用面」の視点から、社内の防災体制を見直してみてはいかがでしょうか。

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