BCPコラム

投稿日: 2026年2月17日

介護施設に求められるBCP対策、生命線となりうる「通信冗長化」とは?

2024年4月より義務化された介護施設のBCP対策。その中でも特に重要なのが「通信冗長化」を含む災害時対策です。しかし本当に機能するBCPとは、災害時だけでなく“平時も運用できる仕組み”でなければなりません。


■ BCPは「防災計画」とは異なる経営戦略

BCP(事業継続計画)は、地震や風水害、感染症、取引先の停止など、平時とは異なる状況でも重要業務を継続するための計画です。防災計画が「被害を防ぐ・減らす」ことに重点を置くのに対し、BCPは「被害が発生しても業務を止めない」ことを目的とします。
介護サービスは生活に直結するため、停止すれば利用者の生命リスクに直結します。そのため、事業所はどの業務を優先するか、どの体制で情報を集め、誰が意思決定するのかをあらかじめ具体的に定めておく必要があります。


■ 介護施設における通信冗長化の重要性 ― 災害時対策の核心

災害時に最も早く、そして長く影響が残るのが「通信」です。
地震や大規模停電が発生すると、光回線などの有線インフラは物理的損傷を受けやすく、復旧までに時間がかかります。平常時には安定している光回線も、停電下では利用できず、情報収集も安否確認も、システム利用も停滞してしまいます。

一方で無線回線は、基地局側のバッテリー確保や車載基地局、衛星連携など、キャリア各社が災害対策を進めており、有線に比べ復旧が早いのが特徴です。三大キャリアでは合計約59万局もの基地局が全国に張り巡らされており、すべてが長時間不通になる可能性は非常に低いとされています。

つまり、“通信の冗長化”こそが介護施設のBCPの生命線なのです。


■ 衛星電話・MCA・キャリア回線…通信手段は多いが万能はない

災害時の通信手段として、物理回線を持たない「衛星電話」や、自営無線を利用する「MCAアドバンス」など、さまざまな選択肢があります。
しかしそれぞれにメリットとデメリットが存在します。

●衛星電話

・基地局に依存しないため災害に強い
・山間部など通信しやすい
・ただし都市部ではつながりにくく、天候やアンテナ設置に左右される
・機器や維持費も高額

●MCA・MCAアドバンス

・公衆回線の混雑に左右されない
・ただしカバーエリアが限定的、データ通信は限定的
・専用機器が必要

●キャリア回線(携帯電話網)

・全国に多数の基地局
・三大キャリアが災害対策を強化
・ただし一社だけの利用はエリア・設備障害の影響を受けやすい

どれか一つが完璧というわけではありません。
重要なのは、複数の通信手段を組み合わせ「途絶しない仕組み」を作ることです。


■ 災害時対策を“平時も運用できる仕組み”にすることが成功の条件

通信BCPを検討する際、多くの施設で見落とされがちなのが「非常時だけ使う設備は、いざというときに機能しない」という点です。

資料にもあるように、選択のポイントは大きく2つに分かれます。

①専用端末か、普段使っているPC/スマホか

専用機器は利用者が限定されがちで、訓練不足が問題になります。
一方、普段から使っている端末で使える仕組みは、緊急時でもスムーズに活用できます。

②災害時のみ使用か、日常でも利用するか

「非常時だけ使うツール」は、操作が分からない、設定が古い、端末の充電が切れている、といった問題がよく起きます。
日常業務に組み込める仕組みこそBCPとして最優先すべきです。

施設の規模が大きいほど、職員が多いほど、この“日常運用のしやすさ”は重要な視点になります。


■ 冗長化によって「止まらない」施設へ

光回線と複数キャリアの回線を組み合わせた冗長化の例として「スカイベリーpro」があります。
光回線が切断された場合、自動的にモバイル回線へ切り替わり、ドコモ・au・ソフトバンクの3回線を順次利用できるため、長期間の通信遮断リスクを極めて低くできます。

こうした仕組みは、以下のような場面で大きな効果を発揮します。

  • 災害発生直後の正確な情報収集
  • 職員間や家族との連絡手段確保
  • クラウド型介護システムの継続利用
  • 入所者への通信支援(オンライン面会など)
  • 地域包括ケアの一部としての地域貢献

「数日間完全につながらない」という状況がほぼ起こり得ない環境は、施設の信頼性を大きく高めます。

「スカイベリーpro」について
https://skyberrypro.jp/


■ 助成金・税制優遇で費用負担を軽減

BCP対策はコストがかかるものの、自治体によっては以下のような助成制度が利用できます。

  • BCP実践促進助成金
  • 各自治体のBCP対策支援
  • IT導入補助金
  • 「事業継続力強化計画」による税制優遇

施設経営者にとって、これらを活用した計画的な導入は重要なポイントです。


■ おわりに

“通信が止まらない介護施設”は利用者と地域を守る

介護施設のBCPは、「もしもの時に備える」だけでなく、「日常の業務をより強くする」ための取り組みでもあります。
通信が途絶えれば、施設は瞬時に孤立します。
しかし冗長化された通信環境があれば、必要な情報が入り、職員同士が連携し、利用者の安全を守ることができます。

「通信BCP」への投資は、施設の信頼性向上と、利用者・家族・地域社会への責任を果たすための最重要施策と言えるでしょう。


■ 参考情報:通信冗長化の具体的な構成例

通信冗長化を実現する方法は、光回線に加えて複数キャリア回線を組み合わせる方式など、いくつかの選択肢があります。重要なのは、災害時対策として機能するだけでなく、平時も運用できる設計であることです。

当社では、介護施設向けに三大キャリア回線を活用した通信冗長化ソリューション「スカイベリーpro」を提供しています。仕組みの詳細については以下をご参照ください。

「スカイベリーpro」について
https://skyberrypro.jp/

BCPコラム

スカイベリーproについて
ご質問がございましたら
お気軽にお問い合わせください。