BCPコラム

投稿日: 2025年12月9日

【コラム⑤】3キャリアを同時搭載する“次世代型冗長化” ― 「スカイベリー pro®」 に見る実用性と進化

※こちらのブログは通信業界歴15年の防災士が書いたものです※

本シリーズでは、企業が直面する7つの通信リスクと、事業を止めないための冗長化設計・実践事例をわかりやすく紹介します。

通信冗長化の必要性が高まる中、多くの企業や自治体が注目しているのが “多キャリア自動切替” を1台で実現する専用端末だ。

本稿では、その代表例として挙げられる 「スカイベリー pro®」を中心に、
「なぜ、今こうした端末が求められているのか」
「従来の通信手段と何が違うのか」
をビジネス目線で分かりやすく解説する。


「スカイベリー pro®」とは? ― 3キャリア搭載の冗長化特化端末

スカイベリー pro® は、

  • NTTドコモ
  • au
  • ソフトバンク

という3大キャリアのSIMを物理的に搭載し、
自動で最適なキャリアに切り替えながら通信を維持できる 専用端末である。

特徴は主に3つだ。

① 物理SIM3枚による“完全独立通信”

3つのキャリア回線が独立しており、AがダウンしてもB、Cに切り替わる。

② キャリアの優先順位を自由に設定

業務用途に合わせて「まずドコモ → 次にau → 最後にソフトバンク」といった優先度設定が可能。

③ 産業用設計で堅牢性が高い

温度変化・振動・長時間稼働に耐え、災害時の現場でも使用できる。


従来の冗長化との違い ― “仕組み” が根本的に進化

多くの企業が利用してきた冗長化手段と比較すると、スカイベリー pro のアプローチは根本的に異なる。

◆ 光回線の予備工事 → 時間・コストがかかる

スカイベリー pro® は工事不要で設置できる。

◆ モバイルルーター+予備SIM → 手動切替が必要

スカイベリー pro® は完全自動切替で、人的対応不要。

◆ キャリアごとの契約管理 → 手間がかかる

スカイベリー pro® は1台で3キャリアをまとめて管理できる。

これにより、
導入ハードルが低く“現場で本当に使える冗長化” が実現している。


衛星回線との連携も可能 ― 4系統の最強レジリエンス

大きな特徴のひとつが、衛星通信との連携だ。

スカイベリー pro® は、

  • 地上の携帯3キャリア
  • 光回線、または衛星通信(高軌道または低軌道:Starlink 等)

を組み合わせることで、
4系統の通信冗長化 を構築できる。

特に被災地や山岳地帯では、
携帯回線よりも衛星通信が安定するケースがあり、
災害対策本部や遠隔地業務で力を発揮する。


導入事例が示す“実用性の高さ”

資料に紹介されている事例を整理すると、
多キャリア冗長化がどのような環境で“効いた”のかがよく分かる。

● イベント会場:大容量通信の集中でも途切れない

混雑ピークで携帯回線が不安定でも、3キャリア切替で発券が安定。

● 自治体:防災無線のバックアップとして

災害発生時、基地局障害でも通信確保が可能に。

● 山頂施設:決済システムの安定化

天候が悪くてもキャリア切替で決済が止まらない。

● 空港店舗:BCPとしてPOS通信を確保

台風時の通信不安定でも、決済業務を継続できた。

● 医療MaaS:遠隔医療の要となる通信を確保

車載環境でも安定した映像・データ通信が可能。

これらの事例は、
“通信が止まらないこと” は企業価値に直結する
ということを強く示している。


管理ダッシュボードによる“見える化”も強力

スカイベリー pro® には、複数端末を遠隔管理できるダッシュボードが用意されている。

  • 稼働状況
  • 回線切替状況
  • 通信量
  • 電波強度
  • アラート通知

これらを一元管理することで、

  • 拠点の通信状況をリアルタイムで把握
  • 障害の早期察知
  • 遠隔拠点の運用管理の効率化

といった効果が得られる。

地方拠点やイベント現場、医療車両など「現場が遠い」企業にとっては大きなメリットである。


まとめ:多キャリア冗長化は“次の標準”になる

クラウド化・キャッシュレス化・リモートワーク社会の今、
通信は「止まったら困る」段階ではなく、
“止まったら事業が継続できない” 段階に入っている。

だからこそ、スカイベリー pro のような

  • 多キャリア自動切替
  • 工事不要
  • 衛星回線との統合
  • 堅牢な産業用設計
  • 管理の一元化

といった特徴を備えた冗長化ソリューションが、
企業の新しい標準装備になりつつある。

次のコラム⑥では、
こうした冗長化が「現場でどう役立っているか」という視点で、
実例をさらに掘り下げていく。

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